裏話 第15話 「笑いと健康」その2~~ストレスの多い状態=笑いの少ない状態

裏面の健康うら話 第15話 
「笑いと健康」その2~~ストレスの多い状態=笑いの少ない状態
(2012年3月作成)
前回は日本笑い学会について簡単にご紹介いたしました。今回は、ストレスについて述べたいと思います。なお、今後は笑いが健康に及ぼす具体例を順に挙げてゆきたいと思います。
心の変化(特にストレスがかかった状態)が原因で病気がおきることがあり、それを心身症と呼んでいます。その定義は「心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」です。(日本心身医学会 1991年)
たとえば、ストレスが原因で、胃潰瘍、頭痛(緊張型頭痛)、湿疹(かゆい発疹)、円形脱毛症、不整脈、高血圧、気管支喘息、過敏性腸症候群、月経不順などが起こると言われています。これらは、心身症の一つと言えます。(心身症でない場合も含まれますが…)
ストレスの多い状態(すなわち心身症)は、笑いの少ない状態ともいえます。つまり笑いの欠乏により、こういう病気が起きるわけです。すると笑いによって、これらの病気は予防できるのでは、と考えられます。
2007年の日本笑い学会総会で、浜松医科大学名誉教授の高田明和先生による「脳と栄養」という演題の記念講演がありました。その講演の中で次のお話が紹介されておりました。
1)米国で行われた研究ですが、インフルエンザウイルスを鼻腔に滴下した場合、社会的絆により感染に差が出たというのです。絆が太い人ほど感染しづらかったそうです。
2)病気にかかった場合、「憎しみ」「怒り」の強い人と「笑い」の絶えない人とで、回復に差が出たとのことです。
どうやら、ストレスの多い状態では、病気になりやすく、笑いが多い状態や社会的な絆の強い人では病気になりづらいようです。(「社会的な絆」とは、友人、家族、職場の同僚、趣味の仲間、近所の知人などとの間での良好な人間関係のことです。)
免疫は病気の発症に深く関与していると考えられますが、次回は「笑いと免疫」についてお話しいたします。(数年前に新聞などで報道された、「笑いでNK細胞が活性化」というお話を、簡単に予告編としてご紹介いたします。NK細胞という免疫に関与する細胞は、癌を抑制する働きがあります。私たちの体内では日々数千個もの癌細胞が発生するといわれていますが、NK細胞がこれらを殺してくれているので、普通私たちは癌になりません。このNK細胞は笑いによって活性化すると言われています。いつも笑っている人は癌になりづらいかもしれません。)
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●蛇足:
・某新聞にトヨタ86の一面広告が載っていた。
 片隅に小さな文字(2mmサイズ)で,
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(この車を買う人は,こんな運転しないような,
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松山 眞千
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