裏話 第27話 「続・笑いと健康」その1~~脳卒中予防効果も?

裏面の健康うら話 第27話
「続・笑いと健康」その1~~脳卒中予防効果も?
(2016年5月作成)
前々回の裏話第25話「笑いと健康」(その7)で、笑いが健康に及ぼす影響についての話は一旦終了としましたが、新しい情報を入手しましたので、続編としてお届けいたします。
普段、笑うことがほとんどない人は、ほぼ毎日笑う人に比べて脳卒中のリスクが1.6倍増えるとの調査結果を、日本疫学会の専門誌に千葉大や東京大などの研究チームが先日発表しました。
~~~ 以下は研究発表の要約です。~~~~
笑いが健康に良いことは、これまでの様々な研究によって示されています。その中に、笑いと動脈硬化やストレスに関する研究結果があります。動脈硬化やストレスは、心疾患または脳卒中の有名な危険因子ですが、笑いと心疾患または脳卒中の関連を調べた研究は今までにありませんでした。そこで本研究では、その関連を評価することを目的としました。
対象としたのは、2013年度日本老年病学会のアンケート調査に回答した65歳以上の高齢者で、総数26,368人のうち、笑いやうつなどの質問項目に回答漏れのない20,934人 のデータです。笑いの頻度・場面と自己評価した健康度との関係を分析し、さらにその結果を、肥満度、高脂血症、高血圧などの影響も踏まえ、統計的に処理しました。
その結果、笑う頻度が最も少ないグループは、ほぼ毎日笑うグループに比べ、脳卒中を起こす割合が約1.6倍高いことが分かりました。同様のことは心疾患においても見られ、その比率は約1.21倍でした。
この研究結果は、高齢者において笑いが心疾患または脳卒中の発症を抑えるのに有用である可能性を示しています。要因としては、笑いがストレスを軽減するなどのメカニズムが考えられますが(今までの研究から心疾患または脳卒中とストレスとの密接な関連が分かっています)、こうしたメカニズムについてはさらなる研究が必要です。
なお、本研究は「よく笑う人ほど脳卒中や心疾患を持たない」可能性を示しますが、このことが「よく笑うと脳卒中にならない」というような「笑いによる予防効果」を意味するものではない点にもご留意ください。
(Kei Hayashi, Naoki Kondo, et al. Laughter is the Best Medicine? A Cross-Sectional Study of Cardiovascular Disease Among Older Japanese Adults. J Epidemiol 2016. doi:10.2188/jea.JE20150196)
~~~~ 以上です。~~~~
さらなる研究が待たれますが、やはり笑いには病気にかかりにくくする力がありそうですね。
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松山 眞千
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2 Replies to “裏話 第27話 「続・笑いと健康」その1~~脳卒中予防効果も?”

  1. 1.6倍と言われると、けっこう効果があると感じますね。
    精々これからもダジャレ連発に励みたいと思いました。
    ひとは寒くなったとしても、自分は笑えますから。
    あ、笑うと心と体が温まって血行がよくなる
    ということではないですかね。
    こぶしクリニックはいつも笑いが多いのでしょうね。
    診察室に笑気ガスを流してませんか。(笑)
    身体の老いは怖れないが、
    心の老いが怖ろしい。
     おいおい(詰問)
     おいおい(泣く)

    1. バーソさん、コメントありがとうございます。
      ええ、笑いはいいみたいですよ。
      ちなみに笑気ガスは流してません!!
      そんなこというなんて、正気か?なんて。
      松山眞千

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