裏話 第20話 「紹介状のいる、いらない」~~診療情報提供書の要否について

裏面の健康うら話 第20話
「紹介状のいる、いらない」~~診療情報提供書の要否について
(2013年12月作成)
医療機関(病院や診療所)を初めて受診する場合(初診と呼びます)、紹介状(診療情報提供書)が必要な場合と不要な場合があります。今回は紹介状についてのお話です。(シリーズ「笑いと健康」はお休みです)

(1)病院の初診~~ほぼ全て必要です。
例外もありますが、ほぼ全て必要と考えて良いでしょう。総合病院では紹介状が無いと、初診時に数千円の別料金が必要なことが多いようです。
(2)診療所の初診~~いる場合といらない場合とがあります。
(2-1)不要な場合:
どこか具合が悪くなって初めて受診する場合は不要です。頭痛やめまい等で初めて当院を来院される場合、もちろん紹介状は要りません。風邪で内科医院を受診する場合も当然不要です。
(2-2)時に必要な場合:
他の専門医への受診をお勧めする場合です。例を挙げて説明します。例えば、当院で処方を受けている患者さんに発疹が出たとします。薬疹である可能性が高い場合は当院での処方内容を添えた紹介状が必要ですので、皮膚科宛の紹介状を作成して患者さんにお渡しします。(「薬疹」とは、薬が原因で起きる発疹のことで、薬の副作用のひとつです。)
でも、そうではなく、明らかに薬疹とは違って、皮膚の病気が疑われる場合は、「近所の皮膚科で診てもらって下さい」と紹介状は書かずに、皮膚科の受診をお勧めする場合もあります。
(2-3)必要な場合:
ある治療中の病気について通院先を変える場合です。あるクリニックに定期的に通って処方を受けていたとします。何かの事情で(引っ越し等で)、通院先を変えるとき、お薬手帳だけを持って初めてのクリニックを受診し、お薬手帳を見せて「今後はこちらに通いたいので、これと同じ薬を出して下さい」と言われたら、医師は困ってしまいます。
それだけでは、検査データも合併症の有無も経過もサッパリ分からないからです。自信を持って迷いなく継続診療ができないのです。診断のための所見や検査結果、治療経過などの情報があったほうが医師は有難いわけです。こういう場合、「必ず紹介状を発行してもらってから、それを持って来院して下さい」と、当院ではお願いしています。
以上、どのような場合に、紹介状が必要なのかについて簡単にご説明いたしました。
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●蛇足:
・多忙なミツバチには悲しむ暇がない。
~~ ウィリアム・ブレイク(1757-1827)

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松山 眞千

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