不許葷酒入山門 & 鮭鮫鱈鯉++

「不許葷酒入山門 & 鮭鮫鱈鯉」
禅宗のお寺の入り口には,「不許葷酒入山門(葷酒山門より入るを許さず)」や,
「禁葷酒(葷酒を禁ず)」 といった文字が彫られた石柱(戒壇石)が立っているこ
とがあります。 葷(くん)や酒は寺の中には入れてはいかん! ! ということなので
すが,この「葷」こそ、精進料理で使っても食べてもいけない野菜のことなのです。
五葷とも,五辛(ごしん)とも呼ばれる5種類の食べてはならない野菜。 実は,
この5種類の組み合わせは 国 ・ 時代 ・ 宗教 ・ 思想 によって異なりますが、
大まかに言うと「にんにく」「ねぎ」「玉ねぎ」「にら」「らっきょう」の5つです。
つまり臭いの強い物のようです。その他に「山椒」や「生姜」が含まれる場合もあり
ます。
でも,ご存知の通り,上手く隠れて食べていたようですし,酒も飲んでいたようで
す。
さて,ここからが本題です。むかしある禅寺の粋な御住職が「いくら戒律とはいえ,
なんて野暮な言い方だろう。ちょいと変えてみよう」というわけで,酒の肴づくし
で言ってみようと,戒壇石の脇に…
「鮭鮫鱈鯉」と書きました。鮭(さけ)鮫(さめ)鱈(たら)鯉(こい)。つまり
「酒醒めたら来い」。酒は飲んでも良いけど,醒めてから山門をくぐりなさい,という
わけです。
昔のお坊さんもなかなか粋だねと感心していると,その山門の前を通りすがった
酔っぱらい,じ~っとその文句を見ていたが「へ~っ,魚できやがったかぁ,よし俺は
虫でいってやろうじゃねぇか」と,その横に…
「蛇蛙蚊」と書いたのです。続けて読むと「じゃあ,帰るか」って,これもお見事!
※注釈
上記は,日本笑い学会新聞の「笑いま専科」というコラム欄に中央群馬脳神経外科の
中島英雄先生がお載せになっていた文章より内容を拝借しました。
日本笑い学会の理事である中島先生は脳神経外科医&噺家です。(十代目桂文治門下
で「桂 前治(ぜんじ)」という真打ちです。)中央群馬脳神経外科病院では院内寄席を
月に1回開催していて、中島先生は自ら高座に上がっています。
詳しくは下記のHPをご覧下さい。
日本笑い学会
http://www.age.ne.jp/x/warai/
中央群馬脳神経外科病院
http://www.geocities.jp/central_gunma_neurosurgical/
(さらに蛇足:上記の同院HPで見つけた素敵な言葉…
… 「ご自身の健康こそ 家族への最良の愛」)
== こぶし脳神経クリニック ==
http://www.kobushi-clinic.com/
松山 眞千