裏話 第4話 「生活習慣病について」~~ここまでは無症状。でも…

裏面の健康うら話 第4話
「生活習慣病について」~~ここまでは無症状。でも… (2010年4月作成)
 以前は、年のせいなので仕方ないでしょう、という意味の「成人病」と言われていました。でも、「普段の生活習慣が原因で起きる病気なんですよ」ということで「生活習慣病」と名前が変わりました。最近は関連した「メタボリック症候群」なんていう言葉も聞かれるようになりました。
 第1段階) 原因となる生活習慣 (楽しいけど、または楽チンだけど、実は健康に悪い生活)
美味しいお料理はたくさん食べたくなるものです。好きなお酒をたくさん飲みたいという方もいるでしょう。あるいは、ついタバコを吸ってしまうという方もいると思います。また、体を動かすと疲れるので、運動不足気味という方もいると思います。
 このような楽しい、あるいは楽チンな生活は、実は健康に悪い影響を与えることが多いのです。
 第2段階) 生活習慣病 (ここまでは、ほとんどが無症状。調べたり測らないと分かりません。)
先ほど述べた健康に良くない生活習慣を続けていると、肥満になったり、(悪玉)コレステロールが上がったりします。または、血糖値が上がったり、あるいは動脈硬化が進んだりします。そうすると、高血圧、高脂血症(脂質異常症)、糖尿病、肥満などが起きてきます。
 実はこれらは何かを測らないと分かりません。肥満も見た目には太るので分かりますが、体重計に乗らないと正確には分かりません。血圧は測らないと気づきません。つまり、高血圧はほとんど無症状なのです。糖尿病も脂質異常症も血液検査をしないと分かりません。
 第3段階) 脳卒中や心筋梗塞、癌 (あるとき突然発病したり、気づいたら手遅れ…。)
さて、上記の生活習慣病を長年放置すると、その結果、突然血管が破れたり詰まったりします。あるいは、生活習慣病は多くの癌の危険因子に名を連ねています。
 たとえば、心筋梗塞で突然の胸痛を起したりします(ごく一部の人はそのまま帰らぬ人に…)。または、脳卒中(脳梗塞や脳出血)を起して、急に呂律が回らなくなったり、手足が麻痺して障害が残ったり、もしくは死亡したり等ということがあります。こうなってからでは手遅れです。
 まとめ)上記の第2段階までは無症状ということがポイントです。気づいたら、すでに第3段階で、「時すでに遅し」となるわけです。第2段階までの間に手を打っておきたいものですね。
 おまけ)頭痛やめまいも生活習慣が原因?
頭痛やめまいの多くは、姿勢の悪さや運動不足(じっと同じ姿勢を続けるなど)が原因です。その場合は、薬を飲むだけでは治らず、そういう点を改める必要があります。頭痛やめまいの多くも、広い意味での生活習慣病かもしれませんね。
※院内で配布した原稿をそのまま掲載しております。バックナンバーのネット上公開版です。 
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松山 眞千