裏話 第6話「脳神経外科と神経内科の違い」~~精神神経科との違いも…

裏面の健康うら話 第6話 
「脳神経外科と神経内科の違い」~~精神神経科との違いも…(2010年8月作成)
 よく「脳外科と神経内科の違いって何ですか?」という質問を受けることがあります。また、神経内科受診を勧めると、「精神科ですか?」とか「神経科ですか?」と尋ね返されることがあります。今回はこの辺のことについて述べたいと思います。
(1)名称について(略称についても)
 最初に略称と正式名称の関係などについて書きます。トップバッターは脳外科です。脳外科の正式名称は脳神経外科で、当院の院長は脳神経外科の専門医です。次は神経内科です。神経内科は病院によっては脳神経内科と呼ばれることもあります。
 もう一つは、精神科です。精神科の正式名称は精神神経科で、時に神経科という言い方をする病院もあります。うつ病などの心の病気を扱う科です。「メンタルクリニック」の先生のほとんどは精神神経科の医師です。ときに「心療内科」と標榜していることもあります。
(2)他の科でたとえると(消化器や呼吸器などでは)
 本題の脳外科と神経内科の違いについて説明する前に、他の科の例を出したほうが分かりやすいので、そちらからお話しいたします。
 たとえば胃腸の病気です。胃潰瘍とか肝炎などの病気は消化器内科で診療いたします。でも、胃癌とか大腸癌などの手術が必要な病気が見つかったら外科(消化器外科)へ紹介されます。つまり手術しないものを消化器内科で、手術するものを消化器外科で診ているわけです。
 次に肺の病気を例に挙げます。肺炎、気管支炎、喘息などは呼吸器内科で診ます。でも、手術しなければならない病気(肺癌など)が見つかったら呼吸器外科で治療することになります。
 (3)つまり、脳神経外科と神経内科の違いは…
 脳外科と神経内科の関係もこれに似ています。神経内科では手術しない神経系や脳の病気を扱います。脳梗塞、髄膜炎、筋ジストロフィー、アルツハイマー病やパーキンソン病などです。
 脳神経外科では、手術が必要な脳の病気(脳腫瘍、くも膜下出血、水頭症)や頭部外傷の患者さんを診ます。神経内科でこれらの病気が見つかって脳神経外科に紹介されることもあります。
 神経内科の病気は聞き慣れないものが多いので、はじめに消化器や呼吸器を例に出しました。なお、脳梗塞や脳出血などの病気は神経内科と脳神経外科の両方で診る場合もあります。
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松山 眞千