世の中にはたくさん略語があります。
時に業界の違いによって全く別の意味になったりするこがあるので注意が必要です。
医療の現場でも診療科が違うと意味が違うなどということもしばしばです。
昔話ですが研修医の頃に麻酔科に配属されていた頃の話です。
術前訪問で婦人科病棟へ行きました。事前の情報収集で麻酔予定(手術予定)の患者さんのカルテを見ていると、既往歴にDMとあるではありませんか。「DM」といえば、内科および外科では「糖尿病」です。糖尿病の持病がある方に麻酔をかける場合は、それ相応の準備が必要ですが、あまり糖尿病関係の検査は行われておりませんでした。慌てて婦人科の先生に聞いてみると…
「あっ、そのDMね、糖尿病じゃなくて、破壊性奇胎(destructive mole)の略ですよ」とのこと。
研修医の私はドッと疲れたのを覚えております。
テレビの政治経済関係のニュースで「とっかい」とか聞くと、話の流れから「特別会計の略で特会」と理解できますが、中央線沿線の人の一部では、頭の片隅のごくわずかな部分の神経細胞では「中央特快の特快」と同音異義語だなって思っているハズです。(そんなアホは私だけ?)
略語で注意を要するものは、以下の2通りに分類できます。
カテゴリー1)書くと危ないけど読めば大丈夫
カテゴリー2)書いても読んでも危ないもの
…です。
各々例を挙げたいと思います。
カテゴリー1)書くと危ないけど読めば大丈夫→「西国」
これはメールで送ると失敗して、電話で話すと大丈夫です。
「西国の改札で2時に待ち合わせね」なんでメールで送ると、悲劇が始まります。送られた人は「にしくにに2時ね」と、南武線西国立駅の改札へ行き、メールを送った本人は中央線西国分寺駅の改札でボーッと待ちぼうけってことが起こりえます。気をつけましょう。電話で「にしこく」と伝えれば大丈夫。
カテゴリー2)書いても読んでも危ないもの→「生保」
書いても「生保」読んでも「せいほ」です。
生命保険の略か、生活保護の略か、さっぱり分かりません。
注意が必要です。皆さん十分に気をつけましょう。
えっ、最近は生活保護を意味する場合「なまぽ」って呼ぶんですか?
しっ、知らなかったぁ…。
●蛇足:
・「二人の男の会話」
「おまえ、タバコの喫いすぎだよ、体によくないよ」
「バカなこと言うなよ、俺の親父はタバコを1日40本喫うけど、
90になってもまだぴんぴんしてるよ」
「そういえばそうかもしれないな。
俺には弟がいて全然タバコを喫わなかったんだが、
3つのとき死んでしまったよ」
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松山 眞千
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