裏話 第12話 「緑は心や身体に良い?」~~目にはいいとか?

裏面の健康うら話 第12話 
「緑は心や身体に良い?」~~目にはいいとか?
(2011年8月作成)
 よく森林浴は良いとか、緑を見ると目によい、などといいます。森林浴は緑の中に入るということ以外に、森の木々から何か影響を及ぼす物質(イオン等という説…)が出ているのかもしれません。または放出される酸素が多いからかもしれません。その「緑」について考えます。
 まず、植物の「緑」とは葉のことで、言うまでもなく葉緑素(クロロフィル)の色素が緑だからなのです。葉では吸った二酸化炭素と、根から吸い上げた水とを原料として、日光をエネルギーとして葉緑素は光合成を行います。その産物として栄養素を作り(でんぷん)、副産物の酸素は葉から大気へ出されます。
 実は葉緑素で使っている光は、日光の中の赤や青の成分の光なんです。残りの緑の光は葉にとっては不要なので反射したり素通りしたりします。だから、私たちの目には葉は緑に見えるのです。つまり、植物にとっては、緑の光は「使えない光」なのです。(一説には、進化の過程で、植物たちは緑の光を上手に使えなかったとも言われています。)
 でも、私たちにとっては緑の光はありがたいのです。心を癒す効果、目によいという効果があるようです。心の癒しの効果については別の機会に譲るとして、今回は目についてお話します。
 眼科やメガネ屋さんでの検眼の際に、「赤と緑で、どちらがハッキリ見えますか?」と質問されることがあります。これは色による光の屈折率の違いを用いた検査なのです。屈折率というと難しいですが、プリズムの原理のことです(色による屈折の違いにより虹が起きるわけです)。
 目のレンズ(水晶体)で光は屈折して、奥の網膜に像を結びます。カメラにたとえると、網膜はカメラの奥にあるフィルムに相当します。(最近はデジカメなので、フィルムの変わりにセンサーになっています。)
 遠くのものを見るときは水晶体を薄くしてピントを合わせ、近くのものを見るときには水晶体を厚くします。老眼になるとその調節がうまくいかないので、近くのものが見づらくなります。近視の人には凹レンズを用いたメガネで視力を調節し、逆に遠視の人には凸レンズを用います。
 緑の光は波長が短いために屈折率が高いので、赤などの光と比べて網膜の手前でピントが合ってしまいます。すると、緑のものをシッカリ見るためには、目の中では水晶体を薄くする必要があります。つまり、遠くのものを見ようと努力するのと同じ効果があります。遠くの緑を見ると目によいという理由はここにあります。
 でも、こんなややこしい理屈はぬきにして、緑に囲まれた生活っていいですよね。

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松山 眞千
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