裏面の健康うら話 第21話
「笑いと健康」その5~~笑いと睡眠
(2014年4月作成)
「アトピー性皮膚炎患者の不眠を笑いで治そう」という演題で、2007年7月に開催された日本笑い学会総会において、守口敬任会病院アレルギー科部長 木俣肇先生が発表した内容を、ご紹介いたします。「笑いと健康」第5話の今回は、笑いと睡眠との関係についてです。
アトピー性皮膚炎の患者さんは夜間不眠を訴えることが多く、その原因としては、夜間に痒みが増す、夜間に緊張と不安が強まる、などが主なものだそうです。そこで、アトピー性皮膚炎の患者さんと健常者に、以下の2種類のDVDを観てもらい、深夜2時に唾液中のメラトニンを測定しました。(メラトニンとは、睡眠を誘導するホルモンのことで、夜間に多く分泌されます。)
2種類のDVDは…
1)ザ・ベスト・ヒッツ・オブ・ミスタービーン(笑える面白い内容)
2)天気予報(普通の真面目な内容)
…です。前者は、ご存じの方もいるかも知れませんが、ローワン・アトキンソン(英国のコメディアン)が演じる「ミスタービーン」による、かなり楽しいDVDです。
その結果、次のことが分かったそうです。
・アトピー患者のメラトニンは健常者よりも低かった。
・しかし、面白いDVDを観て笑ったほうが、メラトニンが明らかに増加し、不眠も改善した。
なので、日頃からたくさん笑っていると、睡眠不足も解消するかもしれません。
ここで、「笑い」から話は離れますが、睡眠不足により引き起こされる病気は結構多いのです。まず、睡眠不足の時には血圧が上昇します。実際に不眠は高血圧、糖尿病、肥満の原因の一つです。また、睡眠不足が続くと不整脈(心房細動など)の原因にもなります。不眠とうつ病も相互に密接な関係があります。
忙しくてもシッカリ睡眠時間は確保したいですね。また、布団に入っても寝付けない、途中で目が覚めてしまう(眠りが浅い)、というのは睡眠障害の可能性があります。そういう場合は、お薬を上手に用いた方が良いかもしれません。時に専門医の受診が必要になる場合もあります。なお、当裏話のバックナンバー第3話「睡眠について」もご参照ください。
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●蛇足:
・まず何から教えるかなど問題ではない。
ズボンのどっちから脚を入れたっていいではないか。
~~ジェイムズ・ボズウェル
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松山 眞千
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もしくは、現在のかかりつけ医の先生にご相談なさってください。
笑いが健康にいいという話は知ってましたが、
アトピーにもいいとは、面白いですね。
睡眠不足は、血圧が上昇し、高血圧、糖尿病、肥満の原因の一つで、
不整脈、うつ病にも関係があるとは知りませんでした。
ちょうど、エドさんのように
・ちょうどいい時間で寝付けると、グッドタイミング~。
・しっかり熟睡できると、アンチエイジング~。
・良いお医者さんの助言を受けると、ナイスカウンセリング~。
・夢の分析までしっかりすると、フロイトか、ユング~。
・朝、起床時刻にぴたり目が覚めると、シンクロ睡眠グ~。
と親指を立てたくなるほど、よく理解できました。
●駄足
ズボンのどっちから脚を入れるかで賢さは判断できないが、
ズボンの片方に両脚を入れるかどうかで愚かさは判断できる。
バーソ様
毎度コメントありがとうございます。
いつもながら、バーソさんの「返し」には脱帽いたします。
今回も「エドさんのように…」と「駄足」にへ敬服しました。
さて、本題です。
笑いは本当に色々なことにいいのです。
もし、よろしければ「日本笑い学会」のホームページをご覧くださいね。
今後とも宜しくお願い致します。
松山眞千