裏話 第24話 「努力なしで治る病気」~~そんなものありません。

裏面の健康うら話 第24話
「努力なしで治る病気」~~そんなものありません。
(2015年05月作成)
努力せずに治る病気なんてあるでしょうか?全く無いとは言い切れませんが、実際のところ、そのような病気はほとんどありません。薬だけで治る病気があったとしても「薬を忘れずのむ」という努力が必要ですから。それはさておき、いくつか例を挙げて説明をいたします。
まずは高血圧です。第一歩は塩分制限と体重管理ですよね。医療機関で「塩分を控えましょう」と説明を受けたことがあるかと思います。お薬を欠かさず内服するのも大切です。
つぎに風邪の場合です。風邪薬を処方されて内服するのも大切ですが、それ以前に暖かくしてよく休むということが大切です。睡眠(休養)をとることによって免疫力は高まります(忙しくてなかなか休めないという方も多いと思いますが…)。また体を冷やすと免疫力は下がってしまうのです。夜更かしや深酒をして遊んだりすると、風邪薬をのんでも、治るものも治りません。こじらせてしまうこともあります。予防としてのうがいや手洗い、これも大切です。
さらに、頭痛やめまいについてです。温熱療法や運動療法(肩や首のストレッチ体操)が有効なタイプの頭痛やめまいでは、お薬よりもストレッチ体操などによって、まずは筋肉をリラックスさせることが大切です。初期に数日間だけ薬を用いる場合もありますが、正しい姿勢や生活習慣を守ることによって、その後はお薬不要になることもあります。
つまり、病気を治すために大切なのは、正しく理解して、実行(努力)する、ということです。
どうして治療をしているのかを正しく理解しているかどうかで差が出てきます。高血圧に話を戻しますが、治療の目的は単に血圧の数値を下げることではありません。高血圧によってひき起こされる脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などの病気の予防が、高血圧治療の目的です。すると、長期間の平均的な血圧の維持が大切だということがわかります。
また、高血圧の治療目的について十分な説明をせずに、「血圧が高いから薬を出しましょう」と言って一方的にこちらから処方しても、途中で通院をやめてしまう方が多いのです。当院では患者さんが治療について良く理解して希望するまで処方しないことがあります。(これをお読みになっている方にもそのようなご経験はありませんか?)
まとめますと、正しい理解と納得、そして実行することが大切だということです。もちろん、当院でも治療に際しては、患者さんの経済的、時間的、心理的負担をなるべく少なくするよう配慮しています。それと同時に患者さん側のほんの少しの努力がより効果的だと思っています。
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●蛇足:
・健康な人は自分の健康に気がつかない。
病人だけが健康を知っている。
~~カールライス
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松山 眞千
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