裏話 第3話 「睡眠について」~~不眠とは? 適切な睡眠時間は? 

裏面の健康うら話 第3話
「睡眠について」~~不眠とは? 適切な睡眠時間は? (2010年2月作成)
不眠で悩まれている方も多いと思います。また不眠ではないけれども、適切な一日の睡眠時間ってどれぐらいだろう?とご興味のある方も多いでしょう。
今回はそんな睡眠に関する話題を取り上げたいと思います。先に結論を言いますと…
・個人差があり、適切な睡眠時間は人それぞれである
・年齢が進むにしたがって必要な睡眠時間は減る ……ということです。
まず、「個人差がある」といいましたが、かつて米国で100万人を対象に行われた大規模調査の結果では、1日7時間の睡眠をとっている人の6年後の死亡率が最低だったそうです。
実際に平均睡眠時間は7時間という人は多いようです。でも、睡眠は5時間で充分という人もいるでしょう。逆に8時間寝ないとダメだという人もいるかも知れません。
ただし、先ほどの調査では、単に平均値として、「6年後の死亡率が低い」という結果のもとに論じています。また、100万人には重い病気で長時間寝ている人も含まれています。そういう人は結局死亡しますので、平均値を押し上げている可能性があります。
ですので、必要以上に数字に振り回されてはいけません。やはり、自分でちょうど良いと思っている睡眠時間が適切でしょう。もし睡眠不足である場合は、日中眠くなりますし、睡眠が足りていると眠くならないものです。逆にそういう観点からチェックもできます。
なお、起床(覚醒)直後は誰でも少々眠気を感じ、頭がスッキリしないものです。むしろ、スッキリしているときは少々寝過ぎの可能性もあります。(これも個人差がありますが…)少なくとも、朝起きた直後に少々ボーッとしているからといって、睡眠不足と断定はできません。
もう一つ大切なことは、加齢とともに必要な睡眠時間は減少するということです。したがって、若い頃と比べすぎない方が良いと思います。しばしば「若い頃は8時間寝ていたのに、今は途中で目が覚めて5時間しか寝られない」等というお話を聞きますが、あまり気にし過ぎず、現在の体調で判断すればよいと思います。
「快眠のための生活習慣」という、不眠改善に役立つ十数項目のリストがあります。ご希望の方には差し上げますので、院長にお声をおかけ下さい。睡眠薬を試みる前に試みてもよいでしょう。または現在使用している睡眠薬の量を減らすのに、役立つのではないかと思います。睡眠薬を毎晩連用するのはよくありませんから。
※院内で配布した原稿をそのまま掲載しております。バックナンバーのネット上公開版です。
== こぶし脳神経クリニック ==
http://www.kobushi-clinic.com/
松山 眞千


裏話 第2話 「血圧の上下について」~~気温や株価と同じ

裏面の健康うら話 第2話
「血圧の上下について」~~気温や株価と同じ (2009年12月作成)
 「病院と家で血圧の数字が違います。家でも測るたびに変わります。どちらが正しいのでしょうか?」…という質問をよく受けますが、「どれも正しいのです」とお答えしております。
血圧は常に変動します。その時々で変わります。だからどれも正しいのです。気温や株価みたいなものです。気温が高い日もあれば、低い日もあります。朝と晩でも違います。季節によっても変化します。
株価も会社の業績に左右されて上下したり、景気に左右されて値が変わります。血圧もそれらと同じです。どの値も本当です。その時その時の正しい数字です。ただ、値が上下に動くだけです。
そして、血圧も気温も株価も、何か原因があって上下するその結果です。気温は季節によっても変わりますし、雲の多い少ないや、風によっても、潮によっても変わります。それらも、結果なわけです。
心身の状態に変化があると、その結果、血圧は上下します。疲れても、どこか具合が悪くても(痛くても)、腹を立てても、睡眠不足でも、血圧は上昇します。
ですので、血圧の上下を必要以上に気にしない方がよいと思います。
でも、長期にわたる平均的な血圧の上昇は体に影響を与えます。高血圧を放置すると、動脈硬化などを起こして、脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。したがって、定期的に測って、いつもの血圧を知っておく必要があります。
まとめると、定期的なご家庭での血圧測定は大切です。
でも、血圧の上下を気にし過ぎてはいけません。
(よくないことは、
・血圧を必要以上に測りすぎて、その上下を気にし過ぎること
・全く血圧を測らないこと…です。 やはり、ほどほどがいいですよね。)
(降圧剤内服中の血圧低下を監視する目的でも血圧測定は大切です。1日一度測定するならば、朝がお勧めです。その場合は、起床後、排尿を済ませて、2~3分くつろいでから測定するのが、正しい方法です。)
※参考)正常値(目標値)は135/85以下です。
(上の数字か下の数字のどちらか一方でも、オーバーしていると、要注意です。)
高血圧については、当院HPの「症状と病気」のページ(下記URL)にも解説がございます。
http://www.kobushi-clinic.com/symptom_disease.htm
※院内で配布した原稿をそのまま掲載しております。バックナンバーのネット上公開版です。 
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松山 眞千


裏話 第1話 「薬の不具合について」~~副作用などについて

裏面の健康うら話 第1話
「薬の不具合について」~~副作用などについて (2009年10月作成)
(1)どういう可能性があるの?
薬を飲んでいて不具合が起きることがあります。
それは、一般的には「副作用」と呼ばれております。
その中には、本当の副作用とそうでないものがあります。
では「そうでないもの」とは何でしょうか?
・心理的なもの(自分は薬に弱いと思いこんでいる、薬は怖いものだと思いこんでいる等の場合)
・時を同じくして偶然に起きたほかの病気または、薬以外の他の原因で起きた病気
…などです。これらは副作用とはいえません。
したがって、薬を飲み初めて不具合が起きたときには、すぐに薬の副作用だとは断定できません。
もちろん、薬の副作用である可能性も多いのです。
では、どうしたらよいのでしょうか?
(2)不具合が起きたときの対応
 当院から処方された薬を使用して何か不具合が起きた場合は、まず、すぐに来院くださるか、連絡ください。連絡先は薬を受け取った薬局でも当院でも結構です。そのときには、次のことをいたします。
(2-1)副作用かどうかの判断
 副作用でないと判断されたら、お薬は続けることとし、その不具合を対処します。お薬を出す場合もありますし、専門医を紹介する場合もあります。
 もし、副作用なら次の(2-2)へ進みます。
(2-2)副作用であった場合、それについての対処
 そのお薬の役目が終わっていたら、単に中止とします。副作用があったものの、まだそのお薬が必要な状況ならば、代わりの薬(類似の作用の別の薬)を処方します。
 まとめますと、大切なことは「お薬を使って、不具合が起きたときには、まず、すぐに連絡くださるか、来院ください。」ということです。
※院内で配布した原稿をそのまま掲載しております。バックナンバーのネット上公開版です。
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松山 眞千


裏話 第0話 「はじめに」

裏面の健康うら話 第0話
「はじめに」
当院では、初めて受診された方や、久しぶりに来院された方へのご案内を、窓口でお渡ししております。診療時間や当院からの連絡事項やお願いなどを書いたご案内です。
その裏面に、「裏面の健康うら話」と題して、色々なお話を取り上げて、回を重ねてまいりました。約2ヶ月に1回内容を新しいものに変えてきました。
主に健康に関する一般的な話題について書いてまいりましたが、今後は、まさに医療の”裏話”も取り上げてゆきたいと思っています。
過去の物を読みたいというご要望も頂戴しましたので、現在は1冊のファイルにまとめまして待合室に置き、自由にお読みいただいております。ご希望の方には、コピーも差し上げております。
この度、この「裏話」シリーズを、こちらでも公開することにしました。院内で配布した原稿をそのまま掲載しております。すなわち、バックナンバーのネット上公開版です。
「裏話」シリーズをお読みいただくと、当院のことをご理解いただく一助にもなるのではと思います。お時間のあるときに、下記の当院ホームページも併せてご覧下さい。
今後とも宜しくお願いいたします。
== こぶし脳神経クリニック ==
http://www.kobushi-clinic.com/
松山 眞千